よくある28歳のブログ

旅と読書が好きな28歳のブログです。
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読書録① 宮本輝 「ドナウの旅人」

「ドナウの旅人」は初めて読んだ宮本輝の作品だった。
僕自身3年前の冬にドナウの流れる東欧の国々を一人旅したことがあり、本屋で偶然目にしたそのタイトルに強く興味をひかれて上巻を手にしてみた。

ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)
ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)
新潮社

作者の宮本輝は凄く昔の人だというイメージを勝手にもっていたけどWikipediaによれば
生年月日: 1947年3月6日 (70歳)
と割と戦後生まれの方だったから少し意外な気がした。
そして勝手なイメージとのそのギャップのぶんだけ身近な存在にも感じた。
作品の舞台の旅行ルートや時代・政治背景等は僕が旅した3年前のものとはだいぶ異なっているけれど、作中の人物たちが人生の問題に悩みながら或いは恋が実ったり或いはそうでなかったり、人間のそういうリアルな在り様はいつの時代でも普遍的なものなのだなと改めて思った。
普段あまり感情を動かされることのない僕でもクスクス笑えるところも思わず涙してしまうところもあり、ドナウのように豊かで悠然とした時間の流れを共有できる素敵な読書体験だった。

ドナウの旅人〈下〉 (新潮文庫)
ドナウの旅人〈下〉 (新潮文庫)
新潮社