この本を初めて読んだ時、僕は22歳で、今更そう言ってしまうと空しいようだけれど、はっきりと僕は「恋」をしていた。 それは空の太陽のように燦然と世界の万物を照らし出すような恋ではなく、何かの化学反応によって地上に生まれた、妖しく謎めいた青い燃え上がりに似ていた。 自然のあるがままに慣れ合うのでなく... 続きをみる
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「ドナウの旅人」は初めて読んだ宮本輝の作品だった。 僕自身3年前の冬にドナウの流れる東欧の国々を一人旅したことがあり、本屋で偶然目にしたそのタイトルに強く興味をひかれて上巻を手にしてみた。 ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫) 新潮社 本 作者の宮本輝は凄く昔の人だというイメージを勝手にもっていたけど... 続きをみる